フィンランド語には、色々な挨拶があります。日本語のように年齢や人間関係などによって使われる挨拶の言葉は変わりますが、人によっては場面や相手に関係なく同じ挨拶を使います。ですが、言語を勉強している人にとっては、正しい挨拶を学びたいですよね。先生と話すときと、友達と話すときの挨拶をしっかりできた方がいいです。
まずは、いつでも使える一般的な挨拶から紹介していきます。
いつでも使える一般的な挨拶
以前の記事では、フィンランド語の一人称について書きました。もし興味があればチェックしてみてください!
今回は、挨拶編です!
これから一般的な挨拶について説明していきますが、相手によって使うのに注意しなければいけない表現があるので、注意ポイントも含めて覚えておきましょう!
Moi(モイ)
最近ではよく使われる『もい』という言葉。ツイッターのツイキャスなどで良く見かけますよね。
これはとても一般的な挨拶です。
特に若者の間で一般的な挨拶で、どんな場面でも使われています。友達にも言えますし、バスに乗ったとき運転手に言ってもおかしくない言葉です。スーパーのレジの人に対しても使えます。私は父から電話が来たときも「moi」で挨拶します。警察署にパスポートを取りに行ったときも「moi」で挨拶をしました。
唯一注意してほしいことは、年を取った方には「moi」は少しカジュアル過ぎると思う人がいます。まだあまり親しくない年配の方には使わない方が無難でしょう。フォーマルなメールにもあまりふさわしくありません。
→ 誰もが使える一般的な挨拶!
少し親しい感じなので年上の方や先生、上司や知らない人などに話す時は、ご注意を。
Hei(ヘイ)
「Moi」より少し丁寧なニュアンスがあります。
「Hei」は友達にも使えますが、メールでも使えます。先生や上司などの目上の方に書くときでも全く失礼ではありませんので、とても便利な言葉です。ニュートラルなので誰に対しても使えます。
実は、「hei」はとても広く使われるようになったのは最近のことです。もともとこの表現は首都であるヘルシンキの話し言葉として広まっていて、少し特殊な言葉でしたが、今では一般的な表現となり、誰でも使っている言葉です。親しくもなく硬くもない「ちょうどいい」言葉です。
しかし、この表現を使うときにも注意が必要です。
年配の方と話すとき、田舎に行ったときに「hei」は親しすぎると思う人に出会うかもしれません。
相手が先に挨拶をした場合に、「hei」のような挨拶であれば「hei」で返してもいいのですが、自分から言わないほうが無難です。
ちなみに、「hei」はスウェーデン語の「hej」と発音が一緒なのでスウェーデン系フィンランド人が多い西フィンランドでもよく使われています。
→ 親しすぎず硬すぎず、話し言葉だけでなくメールや手紙にも最適な挨拶。年配の方と話すときだけは注意してください。
Terve(テルヴェ)
上記の2つの表現よりも少し特殊な言葉です。
口に合う人や合わない人がいるという感じですかね。
元気な印象を持っている人もいれば、「moi」より堅苦しいと思う人もいます。意見が分かれているので全く知らない人と話すときには注意した方がいいかもしれません。古い小説では丁寧な挨拶として使われていますが、20代の私からするとあまり丁寧に聞こえません。
強いて言えば少し男っぽい表現です。
→ 明るくて親しいと思う人もいれば、硬いと思う人もいます。印象がまちまちなので注意が必要です。
Moro(モロ)
「Terve」よりもさらに男っぽい印象です。
親しい感じの言葉なので、初対面の相手にあまり使わないですが、若い人同士だと初対面でも使うことがあります。例外としてタンペレ地域ではどんな場面でもよく使われています。
「Terve」のように元気で、気合が入っている印象です。適当に挨拶している感じではなく、自分の性格を出して元気に挨拶しているというような印象です。
→ タンペレ地域を除いて主に友達に対して使う男っぽい挨拶。適当に使うと笑われるかもしれないので注意!
時間によって変わる挨拶
フィンランドも日本と同じように、朝昼夜に使う挨拶は変化します。
Huomenta(フオメンタ)
意味: おはよう
おはようと全く同じ意味ですが、日本の「おはよう」より少し丁寧な感じがします。朝だったら誰に対しても気軽に使える挨拶です。
大学生くらいになると友達と使うこともありますが、子供の場合ですと友達同士であまり使いません。私も子供の頃には大人に向けてしか使いませんでした。バイトを始めたらもっと使うようになった記憶があります。
もっと丁寧な形もあるので、これから紹介する言葉も覚えておきましょう。
Päivää (パイヴァー)
意味: こんにちは
「Huomenta」が使えなくなったくらいの時間に使う一般的な挨拶ですが、結構かたい表現です。個人的にはあまり仲良くない年上の相手以外に使うことはないです。仕事の面接でも使うかもしれません。
かしこまった表現なので、フォーマルなシチュエーションで使うことが多いです。さらに田舎では年配の方の間では使うことが多いです。年をとった方は、友達同士でも「Päivää」を使うことがよくあることです。
Iltaa (イルター)
意味: こんばんは
日本のこんばんはのような言葉です。
この言葉は日常ではあまり使うことがないですが、年配の方と話すときや、フォーマルなシチュエーションではよく使います。スピーチやプレゼンテーションなどの始まりでもよく聞く挨拶です。知り合いの家に行った時の挨拶としても使えますが、若い人同士ではあまり使うことがありません。
Hyvää huomenta / päivää / iltaa
上の3つは、どれも少し硬くて丁寧な表現ですが、年を取った方の間ではよく使われます。「Huomenta」は若い人でも、仲がいい人に対しても広く使われています。
この3つは以前では、よく使われていましたが、最近はだんだん使われなくなっている傾向にあります。「Huomenta」以外にはいつか完全に消えて無くなってしまうと思うほど、使う機会が少なくなっています。
ですが、今でも丁寧に話したいときにはこの3つのどれかを使うのがベストです。
上で説明した通り、「hei」のような短くて親しみがある言葉がふさわしくない場面もあります。
どれもそのままでも丁寧ですが、さらに丁寧な形があります。
「Hyvää huomenta」(ヒュヴァーフオメンタ)
「Hyvää päivää」(ヒュヴァーパイヴァー)
「Hyvää iltaa」(ヒュヴァーイルター)
前に付いている「Hyvää(ヒュヴァー)」という言葉は、「いい」という意味です。英語の「Good morning」「Good night」と一緒ですね。
「Hyvää」が付いた挨拶は、特にフォーマルな場面や年配の方に対して使います。先生と親しくない上司などに挨拶するときにも使われています。
もし「hyvää」が発音できなかったら、抜いた形でも十分丁寧なので無理して発音を練習しなくても大丈夫です。
Hyvää yötä (ヒュヴァーウオタ)
意味: おやすみなさい
こちらの挨拶は日本の「おやすみなさい」のように夜の挨拶と夜のバイバイの挨拶として使います。形は上で紹介した3つの挨拶に似ていますが、少し違います。
「Hyvää yötä」は上の3つと違って、「hyvää」を抜いて使えないのです。もう少し短く言いたいときは、夜という単語を複数形に変えて、「Öitä(オイタ)」と言います。個人的には少し男っぽい印象の言い方です。
さらにもう1つの違いですが「hyvää yötä」は特に丁寧な表現ではありません。家族の間でも、友達の間でも使います。逆に知らない人や上司のような目上の人にはあまり言いません。誰に言っても失礼ではないですが、少し親しすぎると思う人がいるかもしれないので使うときに注意してください。
別れ際の挨拶
基本的なさよならはどれも発音が簡単で覚えやすいです。最初の挨拶を覚えてしまっている人にとって簡単でしょう。
ですが、普段では使ってはいけない言葉を勘違いして話してしまっている場合もあります。その点も踏まえて覚えましょう。
Moi moi(モイモイ)
はじめに紹介した挨拶で「Moi」を2回言うと別れる際の「バイバイ」という言葉になります。
親しい感じの表現で、友達や家族などに対して使います。特に首都地域ではとても多く使われているので、誰が使っても違和感がないです。
Hei hei(ヘイヘイ)
こちらも「Hei」を二個繋げていうだけなので、覚えやすいですね。
上の「モイモイ」とほぼ同じですが、「モイ」と「ヘイ」の違いと同じように、「モイモイ」より少しだけかためな印象でしょう。それでも親しい言い方なので、先生などに話す時にはふさわしくない場合があるかもしれません。
つまり、「moi moi」と「hei hei」はあまり差がありません。慣れた方を使うという感じです。
Moikka(モイッカ)
最近のフィンランド人の中で一番一般的なバイバイの挨拶だと言えるでしょう。特に首都地域の若い人の間で多く使われています。
1つだけ注意して欲しいのは「モイッカ」は会うときの挨拶としても使われています。洋服の店などに入ったときに「いらっしゃいませ」の代わりに元気に「Moikka!」と挨拶されることがあります。
Heippa(ヘイッパ)
意味やニュアンスは「モイッカ」と全く一緒で、こちらの表現も会うときの挨拶としても使われています。
ただし、「ヘイッパ」はなんだか少し田舎っぽい印象があって、中心地であるヘルシンキではそれほど聞きません。少し可愛い印象もあると言えるかもしれません。
ちなみに、私は田舎者の「Heippa」派です。(笑)
Nähdään (ネフダーン)
「またね」という意味です。
友達と別れるときにとてもよく使います。
注意点ですが、文章の中で使われているときに意味が変わるときがあります。
例で言うと、「Nähdään kello 5」という文章は「5時に会いましょう」という意味です。このように「会う」や「見る」などという意味になる場合があります。
Näkemiin(ネケミーン)
少しかためな別れの言葉です。若い人だとあまり親しくない相手に対してしか使いませんが、少し年を取っている人は普通に使います。おばあさんたちは友達と話すときにも使っている人が多いです。
Hyvästi (ヒュヴァスティ)
最後の「さようなら」というようなニュアンスがあり、普通の帰り際のバイバイとして使うのは絶対にダメです。小説などで良く見かけますが、日常生活で使う機会はほとんどないです。友達とふざけて使う事くらいです。
あと、交際相手と別れたときに最後のバイバイとして使えます。「もう二度と会わない」というニュアンスが入っていますので、また会いたい人には使わない方がいいです。
さいごに
挨拶にも色々な表現があって非常に興味深かったと思います。フィンランド語を少し覚えることができたのでしょうか。たくさんありますので少しずつ覚えて練習すればいいと思います。自分のフィンランド語の言語力に自信を持ち始めたら、特殊な言葉を使ってみてもいいかもしれません!
上の挨拶、もしくはフィンランド語について何か質問があれば、是非コメントで連絡をください!
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