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ムーミンの漫画と本、アニメの違いは?それぞれの魅力の解説

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8月9日はムーミンの日!フィンランドでは国旗を挙げて祝う日です。2020年からこの日は、トーベヤンソンの日、そしてフィンランドのアートの日として祝われています。何より、この日はムーミンの日として知られています。ムーミンの日には、ムーミンの日限定コップなども発売されたこともあって、ムーミンファンにはとても大切な日です。

私からオススメしたいムーミンの日の過ごし方は、とにかくムーミンを満喫することです。ということで、この記事ではムーミンを鑑賞する3つの形を、比較しつつ、紹介したいと思います。ムーミンのアニメ、本、漫画について書いていきます。

ムーミンの本しか読んだことない、もしくはアニメしか見たことがない人もいると思います。このような方のためにこそ、それぞれの魅力と違いを説明したいと思います。

最も子供向きなのはアニメ

フィンランドでも、最も広く知られているムーミンは、アニメだと思います。日本で1990年代に作られた『楽しいムーミン一家』はフィンランドでも昔から、ほぼ年中放送されています。私も子供の頃に何度も、何度も見ました。ビデオでの録画がいまだに残っているほど大好きです。

それでは、ムーミンのアニメはムーミンのどのような面を表しているのでしょうか?ムーミンの本は童話として扱われることもありますが、実は子供読者には伝わらない部分がとても多いです。哲学的な部分や、生き方の学びなど、子供にはちょっと伝わらないかもしれないという印象です。私も子供の頃にムーミンを読み、好きでしたが、大人になってから読んでみると全く違う経験になりました。大人になってから違う楽しみ方を見つけられた気がします。

しかし、アニメの場合は子供の頃とあまり変わらない気がします。子供の頃に何度も見たアニメは、今見ても、子供の頃の私の記憶の通りの内容です。ストーリーがわかりやすく、キャラクター造形も特に複雑なところがなく、あまり考えないで楽しめられます。もちろん、ムーミンのアニメは面白くないと言いたいわけではありません。ただ、なんとなくムーミンの中でも一番親しみやすい、ムーミンを知らなくてもわかりやすい、シンプルな形でのムーミンだと思います。私個人は、アニメ版のムーミンもとても好きです。特にBGM音楽が大好きで、聞くだけで子供の頃の思い出が蘇ります。

ムーミンのアニメは子供向けとはいえ、年齢に関係なく楽しめられると思います。ただ、大人になってから見てみると、少し変なところに気付いたりします。男女平等があまりなかったり、ムーミンというよりも日本社会らしきアレンジがあったり、キャラクターの行動が、ストーリーに合わせて、ちょっとそのキャラクターらしくなくなっていたり・・・。いくつか気になるところがあります。このような理由で、ムーミンのアニメは、子供の頃に見るのが一番楽しめると思います。お子さんがいる方はまず、ムーミンのアニメを見せて英才教育をしましょう(笑)

本はスートーリー以上のものがある

次に、ムーミンの本についてです。ムーミンの本は上でも述べたように、時々童話だと言われたりします。しかし、実際は、子供向けの本ではないと思います。子供も大人も、どんな人が読んでも楽しめられるし、考えさせられる本だと思います。

ムーミンの本には様々なストーリーがあります。彗星がムーミン谷に落ちてきそうになったり、津波でムーミン谷が氾濫したり、海に出たり、冬のムーミン谷を楽しんだり、色々とあります。ただ、正直言ってストーリーだけではあまりムーミンの魅力が伝わらないと私が思っています。

ここでムーミンの豆知識です。一番最初のムーミンの本は1945年に発売されました。『小さなトロールと大きな洪水 (Muumit ja suuri tuhotulva)』という本です。ただこの本はあまり人気を集められず、フィンランド語に訳されたのも1991年です。たった1年後の1946年に発売されたムーミン谷の彗星(Muumipeikko ja pyrstötähti)の方は1955年にフィンランド語に訳されたので、大きな違いですね。私もつい最近まで小さなトロールと大きな洪水を読んだことがなかったです。この本には、作者トーベ・ヤンソンの戦争の記憶が他の本と比べると色濃いかもしれません。

私はムーミンの本はどれも好きですが、特に好きなのは『ムーミンパパの思い出」と『ムーミン谷の夏祭り」です。『ムーミンパパの思い出』はムーミンパパの視点からの伝記のようなものです。他の本とは雰囲気が少し違っていて、他の本には出てこないキャラクターもたくさん出ます。特にヨクサルが好きで、他の本には出現しないのは少し残念だと思います。そして、ムーミン谷の夏祭りの方は、ストーリーが面白く、珍しいキャラクターがたくさん出るので好きです。ムーミンの魅力については、ムーミンの家族だけではなく、他のキャラクターも重要です。その意味で、『ムーミン谷の十一月」は、ムーミン家族が一切出てこないという点で、とても興味深い本です。

これ以外にも、ムーミンを大人になってから読んでみると、いろいろと考えさせられます。ハッとさせられる発見がありますし、読み解くたのしさがあります。ちなみに、夫との共著でムーミンについて文章を書いたので、そちらもぜひチェックしてみてください!(笑)

漫画を最後に読むとびっくりする

ムーミンの漫画は、本やアニメと比べると知名度が低いと思います。フィンランドでは、アニメはテレビで放送されたし、本はどこの本屋にも置いてあるので、全部見たり読んだりしたことがなくても、少しぐらいなら知っている人がほとんどです。

しかし、漫画の場合は、特に近年までは本屋にもあまり置いていなかったです。最近では新しくハードカバーの本として発売され、本屋に置かれるようになりましたが、私の子供の頃には、図書館にしか置いていませんでした。図書館が大好きな私は、毎週のように図書館からムーミンの漫画を借りたりしました。今考えると、たぶんムーミンの本よりも漫画を読む機会の方が多かったと思います。

漫画なので子供向けかと思う人がいると思いますが、実はムーミンの漫画は本来大人向けのものとして描かれました。イギリスの新聞紙「Evening News」で1954年から掲載されました。「Evening News」の編集者であるCharles Suttonさんは、ムーミンは一般的な生活の風刺に合うのではないかと思って、トーベにムーミンの漫画を描いてもらおうと打診したのです。

漫画をほぼ描いたことがなかったトーベは、まずイギリスで漫画を描く練習をしました。漫画に合うように、キャラクターの造形を少し変えたりもしました。例として、ムーミンママのエプロンが追加されたことを挙げられます。

新聞用の風刺漫画なので、童話のようなアドベンチャーというよりも、日常の風刺がメインのテーマでした。恋愛、お金の意味、有名になることの影響、戦争など、色々なテーマが漫画で挙げられています。ただ、扱ってはいけないテーマとして王様などがいたので、どんなことについても描けるわけではなかったです。他にも、宗教や政治、エッチな話などは禁止されていました。

まとめると、ムーミン漫画は、特にアニメからは遠い世界観になっています。同じムーミンで同じ話の部分も出ますが、かなり違う面が見せられる感じです。漫画ではムーミンの小説で出てきた設定(例:服を着ていない)と現実世界とのギャップをネタにすることがよくあるので、小説を読んでから漫画に進んだ方が、漫画の面白さをもっともよく楽しめるかと思います。

フィンランドにお住まいの方でムーミン漫画を日本語で読みたい人はいますか?そんな方は、タンペレに行くのがオススメです!ムーミン博物館の建物には「Lukukirjasto」という小さなムーミン図書館が入っています。ここでは無料でムーミン漫画を様々な言語で読むことができます。気軽に読めるのでムーミン漫画を買おうか悩んでいる人には特にオススメです!

さいごに

以上のように、同じムーミンでも形によってストーリーもキャラクターも変わってきます。私は漫画も本もアニメも大好きですが、人によって合わない形もあるかもしれません。ぜひ全てを試してみて、自分の好きなムーミンを見つけてください!

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