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食事のマナーは国によって違いがありますよね。海外では箸よりもフォークやナイフが一般的だったり、お皿を持ち上げてはいけなかったり、色々とあります。
しかし、曖昧に「海外はこうだ」と知っても、海外も国によって違いがあります。今回は、私が住んでいる北欧、フィンランドの食事マナーについて説明していきます。自分の国で当然のように行っている習慣がルール違反だったりします。レストランや人の自宅で食べ物を食べるときには、いくつか注意しておくべきことがあります。
(1)フォークとナイフを使って食べる
料理によってはスプーン、日本食や中華料理の店などの場合にはお箸になりますが一般的にはフォークとナイフを使って食べます。礼儀正しい食べ方は右手にナイフを持って、左手にフォークを持って食べることです。
アメリカでは片手で食べる人が多く、料理を右手に持ったナイフで切り終えたら左手を膝の上に置いて、右手にあるフォークで料理を口に運びます。フィンランドではこのような食べ方はNGです。ナイフやフォークを持つ手も逆ですが、それ以上に片手だけで食べるのはあまりよくありません。
もちろん、フィンランドも人によっては片手だけで食べる人がいますが礼儀正しく食べたい場合はフォークとナイフを持って、両手を常にテーブルの上に上げておくようにしましょう。
(2) 食べながら話さない
口に食べ物を含んだまま話すのはとても失礼です。日本でもある程度失礼だと思われていますが、個人的にはフィンランドの方が厳しいと思います。次の例を考えてみてください。
日本だと、料理を口に入れてからすぐに「美味しい」という人が多いです。特に誰かに作ってもらった物、おすすめしてもらった物の場合はできるだけ早く相手に美味しさを伝えたいですね。テレビでの芸能人も食べ物を口に運んで、まだ飲み込んでいないのにすぐに美味しさを伝えていますね。
フィンランドだと、これはNGです。どんなことでも、口に食べ物が入っている時に話すのが失礼です。口を閉じたまま「ウーン、美味しい」とかというようなこともよくありません。
(3) スープや麺はすすらない
日本では、ラーメンやそばなどの麺の場合、ある程度音を立てて食べても失礼ではないですね。逆に大きな声ですすっても人によっては全く問題ないでしょう。
フィンランドでは音を立てて食べるのは、基本的にNGなので、スープや麺を啜るのもダメです。日本食の店だったらスープや麺を啜って食べても許されるかもしれませんが、フィンランドでは、変な目で見られる可能性があります。どんな料理でも、すすらないで食べるようにしましょう。
(4)器を手に持たない
日本では、ご飯を食べるときには、茶碗を手に持って食べますね。テーブルに置く方が逆によくなくて、犬食いと言う人もいますね。
フィンランドだと、基本的に器は手に持ってテーブルから上げてはいけません。大きなお皿を使うことが多いので持ちにくいということもありますが、持ちやすそうなスープボウルを上げるのもよくないです。スープの器は最後に少し前の方に傾けても大丈夫ですが、手に持って飲み干してはいけません。
(5)食後にフォークとナイフを5時の位置に置く
フォークとナイフで食べる場合、食べ終わったときにフォークとナイフを並べて時計の5時の位置に置いてください。店で食べているとスタッフにとって「食べ終わった」というメッセージになって、お皿を拾ってきてくれます。フォークとナイフを適当に置いておくとまだ食べているという印象になる可能性があります。
自分でお皿を片付けるレストランや人の家での食事の場合でも5時の位置に置くことが礼儀正しいので覚えておくようにしましょう。
(6)テーブルに肘を付かない
日本でも行儀悪いと見なされている肘をテーブルに置くことは、フィンランドでも失礼だとされています。古くからのマナーで、理由は単純に「手を洗うときに肘を洗わないので汚い」と言うことだそうです。
特に子供は肘がテーブルに付いたら大人に注意されますが、大人の場合はこのルールを気にしないで付いてしまう人も最近では多いです。
(7)お皿に取ったものは全て食べる
フィンランドでは自分のお皿に載っているものを食べ残すことがとても失礼です。料理を作った人の気持ちを考えても失礼ですし、食品ロスとして無駄が出るのが自然にもよくありません。フィンランドでは、食べ残しに関して厳しい人が多いです。特にバイキングなどで、自分で料理をよそった場合には残さずに全部食べるようにしましょう。当然ですが、魚の骨やジャガイモの皮まではもちろん食べなくていいです。フィンランド人の家で食事をする場合はジャガイモの皮を捨てるための器があるときがありますので、そこに入れましょう。
レストランではメニューのサイズが決まっていて、日本人にとって少し大きく感じてしまう場合があります。自分で料理の量を選んでいない場合には無理して食べなくてもいいです。フィンランド人の私もレストランで残すことが多いので気にしないで大丈夫です。
全部食べれなさそうな時には残り物を持ち帰るという選択肢もあります。私はピザなどですと半分も残してしまうことがありますが、そのようなときにスタッフに「残りは持ち帰りしますか?」と聞かれることもあります。聞かれなかったら「Otan loput kotiin」と言えば持ち帰り用の容器などを用意してくれるはずです。もちろん英語で言っても通じるので、大丈夫です。
(8)チップがない
レストランで食事する場合、メニューに書いてある料金の上にチップを払う国がありますね。フィンランドは日本と同じくチップを払う習慣はありません。その代わりに、サービス料が値段に含まれています。
間違ってチップを払っても失礼ではないですが、店を出た後にスタッフが多く払ったことに気づいたら、余分のお金を持って追いかけてくるかもしれません。どうしてもチップをあげたかったらスタッフにチップだと伝えましょう。ただし、店のルールなどによってはそれでも受け取ってもらわない可能性がありますのでチップを渡さないというのが一番いいです。
(9)アレルギーがあったら前もって伝えましょう
個人の家でもレストランでも、アレルギーがある場合は必ず伝えましょう。フィンランド人はアレルギーに対応することに力入れていますので伝えることで迷惑になることはありません。好き嫌いがあればそれを伝えても問題ありませんが、あまり多いとよくないですね。
私の友達ではセリアック病で小麦などを食べられない人がいますが、その友達は家に来るときに食事を考えるのがとても楽しいです。いつもと違う料理を作れるのがチャレンジになって、新しいレシピを習うきっかけになります。乳糖不耐症を持った人も知り合いに多いですが、その人たちのためにも特別に食べられるものを用意します。最近ベジタリアンやビーガンも増えているので、食事の制限や特徴がある人も全然珍しくありません。
(10)食後は「Kiitos」を言いましょう
特に人の家で食べた場合は、食べ終わったらお礼を言うようにしましょう。シンプルに「kiitos」(訳:ありがとう)を言えば何も言わないより印象が大きく変わりますので、忘れないようにしましょう。
もう少し言いたい場合は「Kiitos, oli hyvää」(訳:ありがとう、美味しかったです)もしくは「Kiitos, oli todella herkullista」(訳:ありがとう、とても美味しかったです)を言いましょう。二番目の方が礼儀正しいなので少し改まった場面でも使えますが、知り合いや友人の場合はどちらを使っても大丈夫です。
最後に
フィンランドの食事のマナーについての記事でしたが、いかがでしたでしょうか?
フォークやナイフの使い方や器を手に持たないことなど、日本と異なったところがありますが、日本の洋食のマナーと似ているので意外とすぐに覚えるかもしれません。さらに、特に若い人にはマナーに厳しくない人が多いので、あんまり気にしないでいいときもあります。もしフィンランド人の友達と一緒に食べたら友達と同じようにすれば大丈夫です。音を立ててすすらないことや食べながら話さないこと、食後の「kiitos」の一言ぐらい覚えていればきっと問題ないはずです。
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