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4つの名前?覚えられないよフィンランド人

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日本では下の名前が一つ、名字が一つだということが一般的です。他の国でもそうだと思ってしまうかもしれませんが、実は全く違う国もあります。フィンランドもその国の一つです。

2019年から名前は4つまで付けられるようになった

フィンランドでは以前から、下の名前を3つまで付けられることができました。私は今20代後半ですが、下の名前を3つ持っています。私の友達では2つの名前しか持っていない人が多いですが、名前が1つしかないフィンランド人には会ったことがありません。

そして、去年の1月から下の名前を4つも付けられるようになりました。この名前の中から呼び名として使う名前を選びます。ほとんどの場合には呼び名が一番最初が名前ですが、人によって2つ目の名前や3つ目の名前になってることもあります。例えば、「Anne Maria Julia」(*全部下の名前です)と言う人の呼び名は「Anne」だと確率が高いですが、「Maria」か「Julia」の可能性もあります。 

ちなみに呼び名はいつでも簡単に変えられるので大人になってからも呼び名を変える人がいます。

苗字は2つまで

最近の法律の変更により、赤ちゃんに苗字を2つ付けることが可能になりましたが。例えば、親の苗字が違っている場合に子供に親双方の名字を付けることができます。

ちなみに、フィンランドでは大人になってからも2つの苗字になることがあります。この制度は前からありますが、結婚したときに前の名前も使いたければ相手の苗字に加えて自分の苗字も使うことができます。真ん中にハイフンを入れて「Korhonen-Virtanen」のような形になります。日本の名前だったら「田中・鈴木」というような感じになるでしょう。この方法では、結婚しても自分が生まれてからの苗字を失わないで生活できます。

苗字や名前を2つ以上持つ有名人

例としてフィンランド人の有名人の名前を少しあげます。知っている人がいるかもしれませんが、おそらく下の名前の中で1つしか聞いたことがないかと思います。

下の名前が2つ、苗字が1つ。

  • Mika Pauli Häkkinen (ミカ・パウリ・ハッキネン、元レーシングドライバー)
  • Sanna Mirella Marin (サンナ・ミレッラ・マリン、フィンランドの第46代の首相)
  • Antti Tapani Tuisku (アンティ・タパニ・トゥイスク、フィンランドの歌手)

下の名前が3つで、苗字が1つ。

  • Martti Oiva Kalevi Ahtisaari (マルッティ・オイヴァ・カレヴィ・アハティサー、フィンランドの第10代大統領)
  • Sanni Mari Elina Kurkisuo (サンニ・マリ・エリナ・クルキスオ、フィンランドの歌手)

下の名前を3つ持っている有名人が少ないように感じがしましたが、調べてみたところ、1980年代までには下の名前を2つだけ付けることが一般的だったそうです。今では生まれる子供の半分程度は3つの下の名前をもらうそうです。

下の名前が3つで、統合苗字。結婚相手との苗字との統合が一般的。

  • Kiira Linda Katriina Korpi-Borges (キーラ・リンダ・カトリーナ・コルピ=ボルヘス、元フィギュアスケート選手)

なんで名前をいっぱい付けるのか

名前が1つしかない日本人からするとフィンランド人は名字や名前を何個も付けることに対して、不思議に思うかもしれません。なんでそんなにいっぱいあるの?1つでいいのではないか?普段名前を書く時や書類などを記入するときに面倒臭くない?とも思うかもしれませんね。

実は、フィンランド人の私がこのような質問を日本人の友達に聞かれたことがあります。私がそこで思ったのは「え、なんで名前が多いと面倒臭くなるの?」という単純なことです。今までの人生では一度も面倒だと思ったことがありませんでした。

その理由は、名前がいっぱいあってもほとんどの場合は1つしか使わないからです。学校の試験で名前を書くときは下の名前を1つだけ書けば十分です。どこかに自分の住所を書くときも名前を1つだけ書くのが基本だし、ネットショップの注文でも1つの名前でオッケーです。2つ目の下の名前などを書く必要があるのは、フライトのチェックインや病院の診察などのような個人確認が必要のような重要な時だけです
確かに名前が多いのは、名前が少ないよりかは面倒臭いですが、日常生活で気になる事は、ほとんどないかと思います。私は名前が多くて困ったのは日本に留学したしたときだけですが、その話はまた違う記事で話したいと思います。

ただ、どうしてそんなに名前を多く付けるのが疑問に思うのでしょう。

検索してみましたが、はっきりとした理由がないそうです。名前の歴史を研究した専門家によると、1600年代に国王と諸侯の名前の風習が北欧の色んな国々に広まり、一般人も国王などのように名前を何個も付けるようになったそうです。フィンランドで下の名前を何個も付けることが一般的になったの1800年代以降だということです。
要するに、ただ単純に「魅力的だから」などのような理由で下の名前をたくさん付けるようになったのかもしれません

あくまでも私の考えですが、昔のフィンランドでは祖父母の名前を付けることや、「誰々の息子」や「誰々の娘」のような親の名前を付けることがよくありました。例えば、父親の名前が Eemeli(エーメリ)の場合、子供にEemelinpoika(エーメリの息子)かEemelintytär(エーメリの娘)という名前を付けることがありました。呼び名として変ですが、2つ目の下の名前として付けられることによって使用することができました。文化として、自分の親族の名前を代々継承していくことを大切にされているのかもしれませんね。

あくまでも私の思考ですが、私は名前を2つ以上付けることには利点があると思います。

まず、子供が大きくなったら簡単に自分の呼び名を変えることができます。例えば、子供が幼稚園で名前を元にいじめられてしまったら他の学校へ転入する前に呼び名を4つ目の名前などに変えれば学校で同じ理由でいじめられないはずです。元々持っている名前なので面倒な手続きがなく、知り合いや学校などに知らせるだけで簡単に変更できます。

2つ目の利点は、親双方が好きな名前を付けることができることです。名前を付けることで争う夫婦がいるかと思いますが、名前をいっぱい付けられたらある程度親双方の意見を尊重することができます。最終的にはどれかを呼び名にしなければなりませんが、2つ目の名前を父親が決めて、3つ目を母親に決めてもらうなど、2人ともが自分の好きな名前を付けられる工夫ができます。

最後に

フィンランド人の名前の豆知識をあげた記事でしたが、どうでしたか。フィンランド人の名前を覚えられる自信はありますか?覚えられなさそうと思っている人には嬉しい情報ですが、実は全部の名前を覚える必要は全くありません。基本的には一番最初の下の名前で呼ぶので、それだけ覚えていればオッケーです。もちろん、先生などの場合は苗字も頭に入れることができればいいのですが、2つ目や3つ目の下の名前は基本的に聞きませんし、全く覚える必要がありません。

ただ、仲がいいフィンランド人の友達や交際相手などがいたら、下の名前を全部覚えていたらとても喜ぶと思いますので頑張って覚えるのもいいかもしれませんね。

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