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フィンランドの人称代名詞は性別がわからなくても大丈夫!

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英語や日本語では、他者から見た第三者の行動を説明するときには主に相手の性別に関する言葉を使います。英語では「he」や「she」、日本語では「彼」や「彼女」などを使用します。日本語だと性別がわからなくてもそこまで問題はないかもしれませんが、英語では男女不明なときになんて言えばいいか迷ってしまいます。では、フィンランド語になるとどうでしょうか?

実は、フィンランド語では性別を一切気にしなくていいです。しかも、言葉は厳密に言うと1つしかないのですぐに覚えられてしまいます!嬉しいお話ですね!

フィンランド語の三人称の基礎知識

フィンランド語では日本語のように「彼」と「彼女」に分けることなく、みんなに共通して使える言葉があります。分かりやすくするために、一人称、二人称、三人称についてまとめてみました。

人称日本語訳単数形複数形
一人称minä / mä /mieme
二人称あなたsinä / sä / siete
三人称彼・彼女hänhe
それそれsene

一人称と二人称の使い方については今回触れませんが、三人称と「それ」と言う言葉の使い方は重要になっています。なぜ「それ」が重要なのかと思う人がいるかもしれませんが、フィンランド語では一つびっくりしてしまうことがあります。

「hän」よりも「se」が一般的

上の表の通り、「se」は「それ」という意味です。人のことに使うと失礼ではないか?と思いますよね。実はフィンランド語では、全く失礼ではありません。

日本語訳フィンランド語の三人称
男の人hän / se
女の人hän / se
se (/hän)
ポテトse

人、動物、物に対しても「se」を使うことができます。動物や物の場合は「se」しか使いませんが、冗談ぽく飼い猫などに対して「hän」を使うことがあります。

最近では「hän」が多くなっている

私は25年間以上生きてきて、今までずっと「se」と「hän」のどっちを使おうか悩むことはなく、いつも「se」を使っていました。相手はどんな人だとしても、その人の名前や先生などのような「その人」を表現する言葉として使っていました。「Hän」という改まった言葉を使うことは書くとき以外に全くありませんでした。

しかし、大学に入った頃に色々な人の話を聞いたり、テレビを見たりしているうちにある変化に気づきました。フィンランド人が前より「hän」を使う事が多くなっていたことでした。そんなに仲良くない同級生の話をしているときは「hän」と言っていたり、テレビニュースでインタビューされている通りがかりの人が政治家の話をしていたら「hän」を使っていました。お母さんが仕事の同僚について話していたら「se」ではなく「hän」を使っていました。

フォーマルな場ではなくても「Hän」は確実に以前よりも人称代名詞として多く使われています。

しかし、そのまま「じゃあ、使おう」という決断をする前に注意したいことがあります。

「Hän」を使ったら嫌がれる、不自然に聞こえる可能性がある

フィンランド語では第三者の行動を説明するときに「se」か「hän」のどちらを使っても構いません。文法的には正しいです。主に書き言葉やフォーマルな場だけの言葉になっていた「hän」は普通の会話で使われる機会が多くなっていて、いつ使っても変ではありません。しかし、1つだけ注意して欲しいのは「hän」の印象です。

「Hän」は人によってとても堅苦しく聞こえます。友達や仲のいい人のことを「hän」を使ったら不自然だと思う人が多いです。フィンランド人以外にはニュアンスがわかりづらいと思いますが、日本語であまりに丁寧すぎる言葉を使うのと同じような感じです。会社で直属の先輩などととても丁寧な言葉を使ったら冷たい印象を与えるかもしれないし、嫌味だと思われる可能性もあるでしょう。丁寧すぎてかえって悪印象を与えてしまいます。

フィンランド人が使う「hän」も丁寧すぎて悪い印象を与えてしまう可能性があります。普通の会話の中で常に「hän」を言っていたら、「何様のつもり?」と思ってイライラする人も少なくありません。

私も、正直にいうと「hän」をいっぱい使う人のことを少し嫌だと思うときがあります。必要以上に丁寧な言葉遣いで自分の印象を持ち上げようとしているごますり的な雰囲気や嫌味に聞こえるときもあります。
私自身は「hän」を使うことはほとんどないですが、誰かに怒っているときや酷いことをされたときにその人のことを「hän」を使って話すことがあります。喧嘩中で敬語になるというような感じです。

もしかするとフィンランド人を怒らせた時には普段とは違った言葉遣いに変わる人がいるかもしれません。会話中のニュアンスに違いを感じた時には、気をつけた方がいいかもしれませんね。

最後に

少し長めな記事になってしまいましたが、まとめるとフィンランド語で第三者の行動を説明するときに使える人称代名詞は2つだけあります。「Hän」と「se」です。複数形は「he」と「ne」です。

性別に関係なく同じ言葉を使います。方言や人によってですが、「hän」は主に書き言葉やフォーマルな場で使われていて、日常的な会話などでは「se」を使います。文法的にはどちらを使ってもいいですが、場合によっては丁寧すぎる言葉で悪印象を与えてしまうので注意が必要です。

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