Skip to content

フィンランド語の一人称 – 初級編

スポンサーリンク

日本には色々な一人称があります。「私」という人もいれば、「俺」「自分」「あたし」などというような表現を使う人もいます。フィンランド語を勉強している方は一度このような問題を考え始めるかもしれません。フィンランド語にはどのような一人称があるのでしょうか?日本語みたいにたくさんあるのでしょうか?

この記事では、フィンランド語の一人称についての必要な知識、すべてを教えていきます。

一人称は一つしかない

まず、一番大切なことから始めましょう。

実は、厳密にいうとフィンランド語に、一人称は一つしかありません。フィンランド語を勉強したことがある人がみんな必ず知っている一人称です。

そうです、「Minä」です。フィンランド語の辞書などで「私」で検索してみると必ず「minä」が出てくるはずです。ちなみに、「minä」は「ミナ」と発音しますが、「ä」が入っているので正しい発音が少し難しいかもしれません。後で発音についてもこのブログで紹介しますのでその記事を楽しみにしていてください。

では、一人称は「minä」だけだったらそれを使えばいいという決断になると思いますが、残念ながらそう簡単ではありません。「Minä」は確かに様々な教科書やフィンランド人向けの本にも載っている立派な一人称ですが、英語の「I」のようにどんなときにも使われているけではありません。

「Minä」は書き言葉

教科書の中では会話の例文でも出てきますが、実は「minä」は書き言葉です。とてもフォーマルな環境でない限り、話すときにはほとんど使わない言葉です。

私も、「minä」を話すときに最近いつ使っただろう?と少し思い返してみましたがいつ使ったか覚えてないです。大学のプレゼンテーションでも仕事の面接でも使わないし、、、おそらく、最後に使ったのは姉と喧嘩したときだったと思います。(笑)フィンランドも、日本語のように喧嘩していると改まった言葉になってしまうときがあります。

「Minä」のイメージがなんとなくわかったでしょうか?書き言葉としては普通に使いますが、話すときに使ってしまうと堅苦しい表現となってしまいます。

それでは、話すときに使う一人称に進みましょう。どれも「minä」からできています。

一番一般的なのは「Mä」

「Mä」は元々は首都のヘルシンキだけで使われていましたが今はフィンランド全体に広がっています。特に若い人は使うことが多いですが、地域によっては年齢に関係なく使われています。テレビやラジオなど、メディアでは一番いっぱい使われている一人称だそうです。ちなみに、「mä」も「ä」が入っているので発音するときに気をつけてください。

フィンランド語の言葉は色々な形になるように、「mä」も文章の意味によって形が変わります。後ほど違う記事で形が変わることについて説明しようと思っていますが、少しだけ例文をみてください。「Mä」は太文字になっています。

  • menen. = 私が行きます。
  • Se on mun kaveri. = 彼 / 彼女は私の友達です。
  • Mulla on nälkä. = お腹すいた。
  • Annatko sen mulle? = それ、私にくれる?

見ての通り「mä」は「mun」や「mulle」などに変わります。

フィンランド語を今まで勉強したことがなかったら形の変わり方は多分すぐに覚えないと思いますが、フィンランド語の音楽などを聞いてみて、「mä」の形を探してみると面白いかもしれません。かなりの頻度ででてくると思います!

東フィンランドの方言の「Mie」もよく使われる

三重県の人には嬉しい情報かわかりませんが、簡単に「ミエ」と発音する「mie」も地域によって一人称として使われています。ネットの研究などをみると特に南カルヤラ県、南サヴォ県と東のラップランドで使う人が多いですが、私は違う地域で育ちましたので子供の頃に使っていました。今もこの三つの県のどれにも住んでいませんが、この地域でも「mie」を使う人が多い気がします。

ただ、上で並べた地域以外だと「mie」は少し複雑な印象があります。若い人はダサいと思う人もいれば、可愛すぎて使うのが恥ずかしいと思う人もいます。人によってはおばあちゃんっぽいと思う人もいるし、田舎者という印象を持っている人もいるでしょう。首都のヘルシンキで育った人と話すときに「mie」を使うと、「ヘルシンキ出身じゃないよね?」と聞かれることが多いです。

個人的な意見ですが、私は「mie」を使うことが好きです。少し可愛くて、親しい感じがします。

「Mie」も文章で形が変わるので、興味があれば下の例文を見てみてください。

  • Mie meen kauppaan. = 店に行きます。
  • Miulla on kuuma. = (私は)暑いです。
  • Otatko miullekin? = 私にもとってくれる? *「kin」はこちらで「にも」という意味を示します。
  • Se on miun. = それは私の。

さいごに

厳密に言うと、フィンランド語には一人称が一つしかないです。「Minä」はフィンランド語の唯一の一人称です。しかし、「minä」は話すときに使うのがほとんどなく、「minä」からできた「mä」と「mie」などの方が実際使われています。フィンランドに来たら、方言的な一人称や、「mä」と「mie」のバリエーションの「mää」と「miä」も聞くかもしれません。人の話を聞きながら勉強すれば、自然にどれかを使うようになるかと思います。

スポンサーリンク

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です