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フィンランドには、日本にはないさまざまなイベントがあります。今回は、7月末にあるあまり知られていないイベント「Unikeonpäivä」(ウニケオンパイヴァ)を紹介します。ナーンタリに住んでいる人だったら聞いたことがあるかもしれません。
「Unikeonpäivä」はどんな日なのか
「Unikeonpäivä」は、ヨーロッパの様々な国で6〜7月に祝われている日で、フィンランド、スウェーデン、ノルウェーなどでは毎年7月27日に祝います。大切なイベントかというと、それほど大切ではありません。正直言って存在自体を忘れてしまう年もあります。私は今年、クライアントとの会話で存在を思い出しました。匿名化のために少し編集したバージョンの会話を下に書いてみます。
私: 次の予約は来週の水曜日でどうでしょうか?
クライアント: あ、空いてます。
私: じゃあそれにしましょう。7月27日、水曜日ですね。何時ごろがいいでしょうか?
クライアント: 朝8時でどうですか?
私: 8時?!(朝の8時に予約を入れる人は初めてだったのでびっくりしました) あ、いいですよ。午後に何か予定が入っている感じですか?
クライアント: いや、そういうわけではないですが、「unikeonpäivä」なので早起きしたいです。いつもは家族の中で一番遅くまで寝ているんですが、こういう予定を入れておくと起きないといけない気持ちになるので!
私: はあ。なるほど・・・。
というような会話をクライアントと交わしました。では、どうしてこの日だと早く起きなければならないのでしょう?答えは、「昔からの変わった風習があるから」です。
家族で一番遅くまで寝る人は怠け者
「Unikeonpäivä」にまつわる伝統や信仰は色々ありますが、フィンランドで特に有名なのをいくつかあげます。
一つは、「この日に遅くまで寝ると1年間眠い」という言い伝えです。これに似たようなもので、この日に昼寝してしまうと将来も眠いという言い伝えがあります。要するに、この日はできるだけ寝ないのが理想的です。(こういう昔からの信念に信じている場合)
他には、一番遅くまで寝た人は怠け者というジンクスもあります。ここからくるものかは分かりませんが、一番遅く寝た人は湖に投げられるという風習もあります。
私は子供の頃から寝るのが好きで、そして何よりも泳ぐのが好きでした。なので子供の頃は毎年、この日はできるだけ遅くまで眠れるように頑張っていました。湖に投げられたら楽しそうだな〜と思っていました。怠け者だと言われることにも抵抗がなく(ナマケモノのTシャツもよく着ています)、逆に家族に怠け者と呼ばれるのは楽しそうだなと思い、毎年寝坊するように努力しました!
しかし、残念ながら私の家族も怠け者すぎて、私のように早くから背が伸びて大きくなった子供を湖に投げることは、一度もありませんでした。またいつか機会があれば投げられたいですね。
ちなみに、この日には睡眠に関係ない言い伝えもあります。この日に雨が降るならそれから7週間降り続くとか、晴れだったら7週間ずっと晴れとか、天気にまつわるものもあります。
短いフィンランド語レッスン
「Unikeonpäivä」は言葉として長くて、意味がわからない場合は覚えにくいかもしれないです。言葉を直訳すると「ウニケコの日」になります。ウニケコは、「一番遅くまで寝る人」、「たくさん寝る人」、というような意味が一般的です。
ちなみに、ウニは「睡眠、夢」という意味です。そしてケコは「アリ塚の塚、周りの地面よりこんもりと丸く盛り上がった場所」を指します。つまり、ウニケコは「睡眠塚」と訳せます。
最近「unikeonpäivä」には良い意味もある
個人的には遅くまで寝られることは良い才能だと思っているので、「unikeonpäivä」では遅くまで寝ているべきだと思いますが、それとは関係なく、近年、「unikeonpäivä」はポジティブに祝われるようになっています。
ムーミンランドもあるナーンタリでは、毎年「Vuoden unikeko 」(今年のウニケコ)が選ばれます。選出の基準は寝ることとは関係なく、ナーンタリの町にとって良い活躍をしてきた人が選ばれます。この名称を獲得した人は、朝7時に海に投げ落とされます。そのあと、マーケットを含むお祝いが開かれます。
私もナーンタリに引っ越せば、やっと海に投げ落としてもらえるかもしれませんね。笑
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